Author: hbw1009esuv4

  • 空き家を売るときには注意して

    空き家を売るときには注意して

    お客様から、建物を壊してから売却したほうが良いのか、そのまま売却したほうが良いのかという相談を受けることがたまにある。 単純にどちらが売りやすいかという観点からみると、解体して更地にしたほうが売りやすい。 しかし、この質問は税務的な観点でみると、そう単純な話ではないのだ。 例えば自宅を売却したとき 譲渡利益が3000万円まで控除される特例(3000万円控除)を利用する場合『建物を取り壊してから1年以内に売買契約を締結しなければならない』という条件がある。 つまり更地にしてすぐに売れる物件であれば良いのだが、地方の物件などは、売れるまで1年以上かかることはざらにある。先に建物を解体したばかりに税金を余計に支払わなくてはならないということにもなりかねない。 また最近増えてきているのは、親から相続した空き家を売却する場合だ。 平成28年から空き家譲渡特例が創設され、親から相続した家も、ある一定条件を満たすと居住用建物と同様に3000万円の控除が受けられるようになった。 相続する前、親が一人で住んでいた物件で、現在空き家になっている旧耐震基準の建物というのが前提条件になる。 適用条件はかなり細かく複雑なので省略するが、一つ気をつけなければいけないのが、この特例を使うには、解体する場合、引き渡し前にやらなければならないということだ。 古屋付きの土地をそのまま売却して、引き渡し後に買主が解体するという取引形態は良くあるが、その場合はこの特例は使えないということになる。 売主が解体するか、買主が解体するかはどちらでも良いが、解体してから引き渡さないと空き家譲渡特例は利用できないなのだ。 意外とこれは認識していない業者もあり、盲点なので、要注意すべし事なのだが。 何故引き渡し前なのか? この特例の趣旨は、古い空き家が増えてきているので、更地にして建て替えをするか既存建物を耐震補強するかのどちらかを促進して、管理されていない老朽化した建物を無くしていくことにある。ゆえに、引き渡しをしてからの解体でも良いとすると、売主は税制の特典をうけたのに、買主側の解体がすぐに行われないとなると、老朽化した空き家を無くしていくというこの特例の趣旨に反するのだ。 建物を解体すると、土地の固定資産税も高くなるということもあり、売却する前に解体することは避けたほうが無難だが、老朽化が進んで、近所や行政から何とかしてほしいと言われた場合などは、解体を先にせざるえないという場合もあるだろう。 その場合でも解体する場合は、税務上のことを相談されてからにしないと余計な税金を支払うことになり、先に知っていればこんなことにならなかったということになるので、気をつけたいものだ。

  • 古屋売買時の注意点

    古屋売買時の注意点

    売却の依頼を受けている古いアパートに購入希望者が現れた。 建物は築42年の4戸の内入居者は1戸残り3戸は退去したあと、何年も入居者がない空室のため、建物の傷みもかなり進んでいる。 そんな状態の物件なので、価格交渉も大幅なものだった。 価格については、渋々ながら売主は応じてくれ、契約の準備に入るべく、売主から賃貸契約書などを取り寄せてみると、現在の売主と賃借人との契約書はなく、H.16年に交わした前所有者と賃借人の契約書があるのみだった。 16年入居者は住み続けているが、賃貸契約書の書き換えどころか、一度も更新をしていない。当時保証人は入居者のお父さんになっており、16年前の契約時71歳だから今は健在かどうかもわからない。 今まで家賃の大きな滞納などがなかったから良かったものの実に危ない橋を渡ってきたものだと思った。 大きな価格交渉もあるので、売主は当然現況有姿で測量もやるつもりはなく公簿売買で進めることにした。 現地を測量業者に確認してもらうと境界杭が確認出来たのは1箇所だけで、測量図の数字を頼りに測ってもらうと、境界と思われるブロックの位置が30cmくらいずれているという報告を受けた。 測量図は昭和44年作成のものだから、あてにはならないとは予想していたが.、30センチは大きすぎる。売主に現地をあたる前に確認したときには、購入したときに境界は確認したから有ると思うと聞いていた。 売主が物件を購入したのは9年前だ。つまり、境界明示せず、現況有姿で購入していたわけだ。 こういうケースは結構多い。 実測売買が望ましいことは、わかっているものの、測量費用がかかるので測量しないで公簿売買でやろうとなるわけだ。 しかし境界の明示はやってくれと言いたい。 否、測量は売主の責任で行わないと、まず売るにしても値段のつけようがないのだ。 売却する土地がどこからどこまでかということを明らかにするのは、売主の責任においてやるべきなのだ。 今回の物件を購入する側にとってのリスクは以下のようなことが考えられる。 ○境界明示の結果ブロックの越境の可能性 ○境界がブロックと大幅にずれていることから境界の合意が得られない可能性 ○入居者との賃貸契約書を結び直す際、保証会社を使うことや借家人賠償保険加入に応じてくれない可能性や更新料もとれない可能性 ○将来建て替えする際、測量をし直す必要があり、測量したら大幅に面積が減る可能性 といったことが考えられる。 不確定要素が多いため、今回の契約は見送りとしたが、急いで契約をしなくて良かったと思った。 売主も購入する際、仲介業者からこのようなリスクの説明は全くされず購入してしまったことが、売却しようという今回のようなタイミングに大きなしわ寄せが来るのだ。 今回のような古い家や古アパートの売買は、リスクの宝庫といえる。 加えて建て替えするときに同様のものが建てられるのか、セットバックでどのくらい面積が減ってしまうのか、建築の制限や想定している用途のものが建つのかなど、気をつけなければならないことはいっぱいある。 このような取引を売買になれていない業者の仲介で購入すると後でとんでもないことになるので、気をつけよう。

  • プロの仕事とは⁉

    プロの仕事とは⁉

    前回、地方の古家の売却にあたり取引上境界を明示する必要があることを紹介しました。 この件では、地元の測量業者に境界の明示を依頼することにしていたら、当初購入を希望していた人との話の折り合いがつかず、話が流れてしまった、とこまで紹介していましたが、その後の後日談をここではご紹介しましょう。 実は、この売却は仕切り直しだと思っていたら、なんとこの測量業者さんが購入したいと言ってきたのです。 この業者さんは知り合いの建築会社に売却する前提で購入したいということで、境界石を入れるという数万円の仕事から、売却益数十万円の仕事に転化させてきたわけです。 売主は前回の購入条件よりも値段が上がり、なおかつ測量業者(宅建業者でもある)が購入してくれるのなら、一般の人に売るよりも後腐れがないということで合意してくれた。 話はどうなるかはこれからだが、今回は買主が不動産のプロなので公簿売買で行うが、公簿売買で進めるリスクについて改めて不動産実務テキストなどで確認をしたところ、今回のようなケースで一般消費者が買う場合の公簿売買はやはり極力避けたほうが良いとと思う。 その理由は、今回の案件は50年前の測量図しかなく、境界石もなくブロックの位置と境界と思われるポイントが大きくずれているらしいという事情が そう思った最大の理由だが、トラブル事例を調べると境界をめぐる紛争は様々な要因で起こりえるが、所有者がそこに住んでいない場合や、相続によって取得した土地などで、近隣関係や今までの経緯というものが全くわからない場合にトラブルに巻き込まれるケースが多いようだ。 そもそもこのブロックは誰が立てたのか(共同で費用折半という場合も多い)意外と知らなかったりする。 ブロックの内側が境界なのか、中心が境界なのか。 ブロックを積む際に2センチから3センチくらい境界よりも内側に積むこともある。 購入するときに、隣地の確認もせずに事情を知らないまま、取引をしてしまって、その人からまた所有権が変わっていってしまえば、もう事情は全くわからない。 でも、いつか建て替えしようとなったときに測量をする必要が生じ、そこで初めて、隣地の境界確認が得られなかったり、登記簿面積と大きな差違があったりということが発覚することになり、余計な手前暇やお金がかかることから、売買した売主や仲介業者が訴えられるということにもなりかねないため、注意が必要です。 もちろん公簿売買の場合は、実測の結果面積に差違があっても売買代金の減額は求めないという内容の文言がはいるが、一般の人は面積に差違があった場合にどういう不都合が生じるかまではわからないし、業者もそこまでの説明を契約書にはいれないのが普通だ。 実測売買にしておけば、後になってトラブルこともなく、また決済前に万一測量が不調に終わった場合は解約出来るような内容にしておけば、取引の労力は無駄にはなるが、買主に迷惑や損害を与えることはなくなるので、長い目でみればどっちが得策かは明らかだと思う。 買い手が、物件の不都合部分も承知していて購入したいと言う場合でも特約で売主が訴えられないような文言を入れることも大事だが、購入者が後に困ることがないように先に起こりうることを予測して取引をするのが、本当のプロの仕事ではないだろうかと思う。 取引を終えることが出来ても問題の火種を残さないことが何より大事ではないかと思うし、そうありたいと思う。

  • 高齢者の住宅問題

    高齢者の住宅問題

    以前、76歳の単身女性から居住しているマンションの売却相談を受けたことがあった。 そのお客様は住宅ローンはなく、毎月管理費、修繕積立金の支払いが約2万円あるだけとのこと。売却したい理由を尋ねると生活資金があまりなく、今後生活していくのにお金が足りなくなるという理由だった。 その日からそのお客様の部屋探しが始まったのです。 予想していたとおり高齢者という理由で断られる物件が多く、少ない選択肢の中から5物件くらいご案内して気にいったものが見つかり、売却先も決まりお引っ越しとなり喜んで頂きました。 賃貸がもし見つからなかっ場合の策として今流行りのリースバックも検討しました実際に売却した金額とリースバックによる業者買い取り金額との価格は700万円くらい安い金額でした。 リースバックは、業者に買い取ってもらって、そのまま家賃を支払って住めるという一見良さそうに思えるのですが、家賃も結構高く、売却金額は安いので購入する業者側にメリットが大きいシステムであると感じました。 近くに親族がいる場合、借りられる場合もあるのですが、このお客様は、近くに親族がおらず、遠い地方に兄弟が一人いるだけだったため、苦労しました。幸い本人は健康で75歳以下の兄弟がいたので、保証会社の規定におさまり、承認がおりたのです。 このお客様のように、持ち家があるものの、生活資金に困窮しての売却相談は結構あります。売却という手段をとれる場合はまだ良いのですが、やはり自宅は手放したくないという方が多いのも事実です。 また病気をされていて自宅を売却して、移る先がないという方、売却したいけど、認知症のため売れないなど高齢者の住宅問題は色々な問題が絡んでいるケースが多いです。 更に高齢者本人と子供達との考え方の違いや意志疎通があまりとれていない場合はなかなか、問題解決が難しくなります。 生活資金を確保するための手段として・不動産担保ローン・リバースモーゲージ などもありますが、金融機関によって内容が異なるので、融資条件を良く理解する必要があります。 不動産業者としては、売却が本来の仕事ですが、今後は益々、売却以外の選択肢も併せてお客様に説明してベストな方法を提案していくことが求められてくると思います。

  • 国籍と居住地と海外資産と相続の関係性

    国籍と居住地と海外資産と相続の関係性

    以前、日本人のご主人をもつ外国人の奥さんから、主人が亡くなった場合、主人の財産はどうなるの?と聞かれたことがありました。 その奥さんは永住権がなく、後妻のため、主人が亡くなると先妻の子供に財産がすべていってしまうと不安になって私に聞いてきたわけです。 永住権がないということは、日本国籍ではない?(正しくは国籍と永住権は関係ありません)ということは、相続権も無いのか? などと頭がこんがらがった記憶があります。 正解は外国人の奥さん(籍が入っていれば)は相続権があります。永住権の有無は関係ありません。 相続は、被相続人(亡くなった人)の国籍によってその国の本国法の定める規定によるとなっています。このお客さんの場合は、ご主人が日本国籍(必ずしも日本人とは限らない)だったので日本の相続法に従うため、奥さんは国籍問わず相続人になるということです。では日本に住む外国人(外国籍)の相続はどうなるのか? 日本の相続法では国内に住んでいる外国籍の人も相続税の課税対象になります。財産の所在が国内か国外かは問わず、相続財産すべてが課税価格の計算の対象になるということです。 ん?ここで疑問が生じます。 外国籍の人はその国の相続法に従うのではなかったっけ?と。その通りです。基本的には被相続人の国籍の相続法に従います。アメリカ国籍の人はアメリカの本国法に従うのが原則です。 尚且つ日本に居住しているから、日本の相続法では、たまたま国籍問わず、日本に居住している相続人は財産の所在が国内外問わず課税対象としているだけの理屈なのです。 ちなみに中国は財産の所在地の法律に従うとなっているようです。つまり中国国籍の人が日本に不動産を保有していて相続が発生した場合、その不動産については日本の相続税の課税対象になるということになります。 つまり国ごとに規定が違い、内容が二国間で抵触する場合もあり、その場合は両国間で二重課税にならないよう調整を図っている場合もあるようです。 詳しい内容を突き詰めていくとかなり奥が深く、広範な内容なのでこの辺にしておきますが、基本的な考え方は知っておいたほうが良さそうです。 もし、もっと詳細を知りたい方がいましたら、相続の専門家の弁護士や、相続税の専門家の税理士に確認してみましょう。

  • 土地売買における契約不適合責任について

    土地売買における契約不適合責任について

    先日、土地の売買契約書の内容について売主様から、「地中埋設物に関しての売主責任について、免責に出来ないのでしょうか?」という質問を受けました。 土地の売買は建物の売買に比べると、引き渡したあとに不具合があるということは少ないのです。ただ建物と違い地中(地面の下)部分は、表面上見ただけではわからないので何が埋まっているかは掘ってみないとわからないわけです。 見出し:地中埋設物についての契約不適合責任 そのため、土地の売買において、引き渡したあとに撤去が必要なものが地中からもし出てきて建物建築の支障をきたす場合、一定期間その撤去費用は売主に請求出来るという取り決めにするのが一般的です。 『地中埋設物についての契約不適合責任』と言われるものです。 契約上この責任を免責とすることは出来るのですが、今回はこの契約不適合責任の主旨を説明して、一定期間内は責任を負うという内容で売主様には納得していただきました。 それは何故か? 免責にすることは簡単ですが、もし地中から大きな岩盤が出てきて、買主の建築工事をする際、撤去する必要があり、○十万円費用がかかることになった場合の買主の気持ちはどうでしょう? 最初から埋まっていることを知っていたのではないか?費用負担するにしても全てを自分が負担するのは納得がいかない。せめて半分は売主に負担してほしいとなるのが人情でしょう。 人は最初から想定していたことは、納得しますが、想定していないことや予測困難なことが起こると、自分に非がないことに関してはなかなか、認められないものです。 要するにトラブルになる可能性が出てきます。 売主側も、そんなものが埋まっていることを知らなかったのであれば、売主側にも非はありません。つまりどちらのせいでもないことなのです。 じゃあどうするか?

  • 親子の土地賃貸借について

    親子の土地賃貸借について

    先日お客様から、自分の保有している土地に息子の名義で建物を建築する場合に土地の賃貸借契約を結んだほうが良いのかという質問を受けました。 このケースは結構多いのですが、税務上気を付けなければならないことがあります。賃貸借契約を結んで、息子が毎月地代を支払いをすると、土地の賃貸借ということになり、利金の授受がない場合は権利金相当の贈与があったと見なされて、息子に贈与税が課税される可能性があります。 権利金を支払うか税法で規定する相当の地代を支払えば贈与税は課税されませんが、息子の負担が大きくなります。 それに対して地代は支払わず、無償で土地を息子に貸した場合(使用貸借契約)はというと、権利金を支払っていなくても贈与税が課税されることはありません。 だったら無償のほうが良いですよね。 ただし親が亡くなって相続税の評価をするときは更地(自用地)評価となり、借地権の評価にはならず、相続税の対策として評価を下げるという役割は一切果たしてくれません。 それぞれに一長一短がありますので、このような場合は税理士など専門家に確認をされることをお勧めします。

  • 親から相続した戸建て住宅売却の際の注意点

    親から相続した戸建て住宅売却の際の注意点

    空き家を売るときには注意して‼ お客様から、建物を壊してから売却したほうが良いのか、そのまま売却したほうが良いのかという相談を受けることがたまにある。 単純にどちらが売りやすいかという観点からみると、解体して更地にしたほうが売りやすい。 しかし、この質問は税務的な観点でみると、そう単純な話ではないのだ。 例えば自宅を売却したとき 譲渡利益が3000万円まで控除される特例(3000万円控除)を利用する場合『建物を取り壊してから1年以内に売買契約を締結しなければならない』という条件がある。 つまり更地にしてすぐに売れる物件であれば良いのだが、地方の物件などは、売れるまで1年以上かかることはざらにある。 先に建物を解体したばかりに税金を余計に支払わなくてはならないということにもなりかねない。 また最近増えてきているのは、親から相続した空き家を売却する場合だ。 H28年から空き家譲渡特例が創設され、親から相続した家も、ある一定条件を満たすと居住用建物と同様に3000万円の控除が受けられるようになった。 相続する前、親が一人で住んでいた物件で、現在空き家になっている旧耐震基準の建物というのが前提条件になる。 適用条件はかなり細かく複雑なので省略するが、一つ気をつけなければいけないのが、この特例を使うには、解体する場合、引き渡し前にやらなければならないということだ。 古屋付きの土地をそのまま売却して、引き渡し後に買主が解体するという取引形態は良くあるが、その場合はこの特例は使えないということになる。 売主が解体するか、買主が解体するかはどちらでも良いが、解体してから引き渡さないと空き家譲渡特例は利用できないなのだ。 意外とこれは認識していない業者もあり、盲点なので、要注意すべし事なのだが。 何故引き渡し前なのか? この特例の趣旨は、古い空き家が増えてきているので、更地にして建て替えをするか既存建物を耐震補強するかのどちらかを促進して、管理されていない老朽化した建物を無くしていくことにある。 ゆえに、引き渡しをしてからの解体でも良いとすると、売主は税制の特典をうけたのに、買主側の解体がすぐに行われないとなると、老朽化した空き家を無くしていくというこの特例の趣旨に反するのだ。 建物を解体すると、土地の固定資産税も高くなるということもあり、売却する前に解体することは避けたほうが無難だが、老朽化が進んで、近所や行政から何とかしてほしいと言われた場合などは、解体を先にせざるえないという場合もあるだろう。 その場合でも解体する場合は、税務上のことを相談されてからにしないと余計な税金を支払うことになり、先に知っていればこんなことにならなかったということになるので、気をつけたいものだ。 加藤大助/宅建マイスター