プロの仕事とは⁉
16/10/2025 02:02 — カテゴリ: コラム
前回、地方の古家の売却にあたり取引上境界を明示する必要があることを紹介しました。
この件では、地元の測量業者に境界の明示を依頼することにしていたら、当初購入を希望していた人との話の折り合いがつかず、話が流れてしまった、とこまで紹介していましたが、その後の後日談をここではご紹介しましょう。
実は、この売却は仕切り直しだと思っていたら、なんとこの測量業者さんが購入したいと言ってきたのです。
この業者さんは知り合いの建築会社に売却する前提で購入したいということで、境界石を入れるという数万円の仕事から、売却益数十万円の仕事に転化させてきたわけです。
売主は前回の購入条件よりも値段が上がり、なおかつ測量業者(宅建業者でもある)が購入してくれるのなら、一般の人に売るよりも後腐れがないということで合意してくれた。
話はどうなるかはこれからだが、今回は買主が不動産のプロなので公簿売買で行うが、公簿売買で進めるリスクについて改めて不動産実務テキストなどで確認をしたところ、今回のようなケースで一般消費者が買う場合の公簿売買はやはり極力避けたほうが良いとと思う。
その理由は、今回の案件は50年前の測量図しかなく、境界石もなくブロックの位置と境界と思われるポイントが大きくずれているらしいという事情が
そう思った最大の理由だが、トラブル事例を調べると境界をめぐる紛争は様々な要因で起こりえるが、所有者がそこに住んでいない場合や、相続によって取得した土地などで、近隣関係や今までの経緯というものが全くわからない場合にトラブルに巻き込まれるケースが多いようだ。
そもそもこのブロックは誰が立てたのか(共同で費用折半という場合も多い)意外と知らなかったりする。
ブロックの内側が境界なのか、中心が境界なのか。
ブロックを積む際に2センチから3センチくらい境界よりも内側に積むこともある。
購入するときに、隣地の確認もせずに事情を知らないまま、取引をしてしまって、その人からまた所有権が変わっていってしまえば、もう事情は全くわからない。
でも、いつか建て替えしようとなったときに測量をする必要が生じ、そこで初めて、隣地の境界確認が得られなかったり、登記簿面積と大きな差違があったりということが発覚することになり、余計な手前暇やお金がかかることから、売買した売主や仲介業者が訴えられるということにもなりかねないため、注意が必要です。
もちろん公簿売買の場合は、実測の結果面積に差違があっても売買代金の減額は求めないという内容の文言がはいるが、一般の人は面積に差違があった場合にどういう不都合が生じるかまではわからないし、業者もそこまでの説明を契約書にはいれないのが普通だ。
実測売買にしておけば、後になってトラブルこともなく、また決済前に万一測量が不調に終わった場合は解約出来るような内容にしておけば、取引の労力は無駄にはなるが、買主に迷惑や損害を与えることはなくなるので、長い目でみればどっちが得策かは明らかだと思う。
買い手が、物件の不都合部分も承知していて購入したいと言う場合でも特約で売主が訴えられないような文言を入れることも大事だが、購入者が後に困ることがないように先に起こりうることを予測して取引をするのが、本当のプロの仕事ではないだろうかと思う。
取引を終えることが出来ても問題の火種を残さないことが何より大事ではないかと思うし、そうありたいと思う。