古屋売買時の注意点

17/10/2025 02:20 — カテゴリ: コラム

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売却の依頼を受けている古いアパートに購入希望者が現れた。


建物は築42年の4戸の内入居者は1戸残り3戸は退去したあと、何年も入居者がない空室のため、建物の傷みもかなり進んでいる。


そんな状態の物件なので、価格交渉も大幅なものだった。


価格については、渋々ながら売主は応じてくれ、契約の準備に入るべく、売主から賃貸契約書などを取り寄せてみると、現在の売主と賃借人との契約書はなく、H.16年に交わした前所有者と賃借人の契約書があるのみだった。


16年入居者は住み続けているが、賃貸契約書の書き換えどころか、一度も更新をしていない。当時保証人は入居者のお父さんになっており、16年前の契約時71歳だから今は健在かどうかもわからない。


今まで家賃の大きな滞納などがなかったから良かったものの実に危ない橋を渡ってきたものだと思った。


大きな価格交渉もあるので、売主は当然現況有姿で測量もやるつもりはなく公簿売買で進めることにした。


現地を測量業者に確認してもらうと境界杭が確認出来たのは1箇所だけで、測量図の数字を頼りに測ってもらうと、境界と思われるブロックの位置が30cmくらいずれているという報告を受けた。


測量図は昭和44年作成のものだから、あてにはならないとは予想していたが.、30センチは大きすぎる。売主に現地をあたる前に確認したときには、購入したときに境界は確認したから有ると思うと聞いていた。


売主が物件を購入したのは9年前だ。つまり、境界明示せず、現況有姿で購入していたわけだ。


こういうケースは結構多い。


実測売買が望ましいことは、わかっているものの、測量費用がかかるので測量しないで公簿売買でやろうとなるわけだ。

しかし境界の明示はやってくれと言いたい。


否、測量は売主の責任で行わないと、まず売るにしても値段のつけようがないのだ。



売却する土地がどこからどこまでかということを明らかにするのは、売主の責任においてやるべきなのだ。



今回の物件を購入する側にとってのリスクは以下のようなことが考えられる。

○境界明示の結果ブロックの越境の可能性

○境界がブロックと大幅にずれていることから境界の合意が得られない可能性

○入居者との賃貸契約書を結び直す際、保証会社を使うことや借家人賠償保険加入に応じてくれない可能性や更新料もとれない可能性

○将来建て替えする際、測量をし直す必要があり、測量したら大幅に面積が減る可能性

といったことが考えられる。



不確定要素が多いため、今回の契約は見送りとしたが、急いで契約をしなくて良かったと思った。

売主も購入する際、仲介業者からこのようなリスクの説明は全くされず購入してしまったことが、売却しようという今回のようなタイミングに大きなしわ寄せが来るのだ。

今回のような古い家や古アパートの売買は、リスクの宝庫といえる。

加えて建て替えするときに同様のものが建てられるのか、セットバックでどのくらい面積が減ってしまうのか、建築の制限や想定している用途のものが建つのかなど、気をつけなければならないことはいっぱいある。

このような取引を売買になれていない業者の仲介で購入すると後でとんでもないことになるので、気をつけよう。

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